◇ユネスコの無形文化遺産 登録へ市始動
秩父市は5日、12月3日の秩父夜祭を含む「秩父祭の屋台行事と神楽」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産」に登録するための活動を始める、と発表した。2010年の登録実現を目指し、当面はユネスコへの提案権のある文化庁に09年夏までに提出する資料づくりを進める。「世界の秩父夜祭に」と市は期待している。
◇10年秋登録目標 当面、提出資料作り
無形文化遺産は、06年の無形文化遺産保護条約発効に伴い、ユネスコの無形文化遺産委員会が世界の候補の中から選定し、代表リストに登録する。4日にイスタンブールで開かれた同委で、日本からの能楽と人形浄瑠璃、歌舞伎を含む90件が登録された。
09年秋に登録される第2陣の日本の候補は7月末に発表され、雅楽など14件だった。文化庁は国指定の「重要無形文化財」「重要無形民俗文化財」「選定保存技術」の区分ごとに、指定時期や地域バランスを考慮して候補を選ぶのが基本方針という。
「秩父祭―」は、京都祇園祭の山鉾(やまほこ)行事や高山祭の屋台行事(岐阜)などと同じ79年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。京都祇園祭は09年の第2陣に入っており、秩父市は10年秋の第3陣登録を目指す。
秩父祭は、秩父神社の例大祭として12月1日から6日まで開かれる。特に華麗な笠鉾・屋台が繰り出し、花火が打ち上げられる3日は「秩父夜祭」として知られ、毎年20万人前後の人出でにぎわう。今年の秩父夜祭では、市は提出資料として必要な映像記録を撮影する。
市教委文化財保護課は「秩父祭を支えている人たちの心意気と、伝統文化を継承するという強い決意を世界に表すため、登録に挑戦したい」としている。
栗原稔市長は「伝統の屋台行事に加え、秩父には豊かな自然もあり、登録に向けて努力したい。登録されれば経済的な波及効果も期待できる」と話している。
【新聞記事2】〔2009(平成21)年5月21日(木)付け朝日新聞全国版〕