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医の中の蛙 第18回 うれしい感謝状

2019年3月1日

  平成最後の12月の暮れに「ありがとう」というタイトルの感謝状を5歳の男の子からもらいました。2年ほど前から難治性便秘で通院していた男の子です。初診でみえた当時は、腹痛・排便痛を繰り返し、医療機関を転々としてその度、間に合わせの治療と異なる指導を受け、恐怖で泣き叫び、母親もどうしてよいか混乱して医療不信で神経質になった状況でした。その日は排便習慣もつき、薬もいらなくなって便秘外来を卒業する日でした。「せんせい、ありがとう」「感謝の気持ちです」と小さな手から渡された綺麗に包装された四角い箱の包み、お菓子かなと思いました。包みを開けると額縁のような箱の底にはカーネンションの花と淡い色合いの水玉模様が描かれ、表面に張られた透明の板に次のような言葉が書かれていました。

        「ありがとう」

  “やしいせんせい てもあたたかくて

  いつもしんになってくれて りがとう

  だいすなせんせい これかもげんきでいてね

  ぼくもおおきくなるね” ○○より

とありました。
「ワ-ッ 素敵!すごい」と看護師さん達からの拍手。うれしそうな男の子の表情で、診察室が温かい空気に包まれました。そして照れくさいのと感動で自分の顔が紅潮していくのがわかりました。今、この感謝状は院長室の棚に飾り、初心に帰る大切なお守りにしています。
 小児医療に携わっているとこのように逆に子供たちに励まされることが多々あります。感謝状をもらうために仕事をしているわけでもありませんし、齢も齢なのでもう引退かなと思うこの頃です。しかし嬉しそうに出て行く親子をみると、気持ちが癒され、必要とされるならもう少し頑張ろうかなという気持ちになります。

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