コンテンツ本文へスキップ
プリローダーイメージ
スマートフォンサイトはこちら
コンテンツタイトル下地

医の中の蛙 第29回 平成の教訓:病院の社会的責任

2019年8月14日

 平成の終わりは企業の不祥事が相次ぎ、その信頼が揺らぎました。データーの改竄や無資格検査、隠蔽など、社会的責任が問われる事態になりました。これは「企業の責任」の本質を理解せず、道徳・倫理感を身に付けていなかった結果だと思います。当事者である企業のトップは不正の背景として、人員不足や設備の老朽化、経営人の業務に対する理解不足があり、加えて急成長に幹部をはじめ人材教育・育成が追いつかなかったと述べました。深谷市出身で、近代日本資本主義の父といわれる渋沢栄一(1840~1931)は、 経営の本質は「責任」であり、「事業と道徳の一致」の重要性を指摘しています。
 企業も病院も時代に選ばれ、次の時代にも輝き続けるために社会を豊かにする責任があります。それには社会のニーズや価値観を捉える感性を備え、対応して初めて責任を果せます。病院の社会的責任は、まず質の高い医療技術やサービスを安定的に提供することです。ついで地域社会の重要な一員として、日頃から潜在顧客である地域住民に支持されることです。よりい病院に来て3年半、経営改善と病院の信頼回復に取り組んできました。
 しかし医療は医師や看護師の不足、医療の質と安全に対する要求の高まり、危機管理のコスト増、多様性で高質なアメニテイの要求、医事紛争や刑事告訴、働き方改革、情報開示の増など厳しい環境にあります。道徳・規律心の不足によるトラブルや不祥事は、「今どきこんなこともしていないのか」と烙印をおされ、信用を失い存亡の危機にさらされます。不祥事は個人や組織・体制の問題、社会環境の影響等により起きますが、多くは経営者の姿勢にあります。法令遵守や道徳心を常々職員に語り、浸透させ、危機管理や人材教育を充実させ、人徳にも配慮した人事評価を行うべきでしょう。

コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る