コンテンツ本文へスキップ
プリローダーイメージ
スマートフォンサイトはこちら
コンテンツタイトル下地

医の中の蛙 第31回 便秘にまつわる話・・その2

2019年9月17日

 そもそも便秘とは排便回数が少なく便が腸内で留まる、あるいは快適に排出されず、残便感が残る状態を言います。
 便秘の有無で生存率に約10%の差があるという海外の報告も有る様に、便秘を軽くみると寿命を縮める事になりかねません。高齢者がトイレでいきんで血圧があがり、呼吸ができず酸欠で死亡する事も少なくありません。また一般的に高齢者は自覚症状が乏しく、重症化して宿便(長期にわたり溜まった便)で大腸穿孔や腸閉塞に至る事もあります。あのエルビス・プレスリーは心臓発作で、42歳で亡くなりましたが、便秘で過度にいきんだのが心臓発作の要因だったと報じられています。ですから便秘も適切な治療が必要ですが、なんとなく市販薬で済ませ、コントロールできていないのが実情です。
 西洋では古くから排便の重要性が認識されていた様で、古代エジプト人は食べ物から病が入るので、月に3日間連続で下剤や浣腸を使って健康管理をしていた様です。世界最古の医学文書「エーベルス・パピルス」に、センナやヒマシ、アロエが下剤として収録されています。中でもセンナは広くヨーロッパで人気を得ていたようです。一方、中国最古の薬物書である「神農本草経」には大黄(ダイオウ)が記載されています。現在も便秘の漢方薬として用いられます。痔の薬として知られている乙字湯(オツジトウ)は、水戸藩の漢方医、原南陽が創薬したもので、乙字湯にはこの大黄が配剤されています。江戸時代、便秘はお腹に溜まった砂のせいで起き、蒟蒻を食べると砂が下り、便秘が解消するとされていました。確かに蒟蒻は不溶性食物繊維が豊富で、繊維による整腸作用が期待できます。先人の知恵、恐るべしです。

コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る
コンテンツ本文の先頭へ戻る ページの先頭へ戻る