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医の中の蛙 第60回 トンボの目に学ぶ

2020年11月13日

 秋の風物詩といえばトンボ、よりい病院に来た5年前の秋は駐車場の広場を群れて飛ぶ赤とんぼ(代表格はアキアカネ)を見かけ、感動したものですが、最近はとんと見かけない。寄居町在住の昆虫研究家、新井 裕さんはアキアカネの減少は水田面積の減少、乾田化、農薬の3つの要因が複合した結果、もたらされたと推測している。
 トンボの大きな目をみると小さな粒があるのがわかる。複眼と呼ばれ、小さな「個眼」がドームのように組み合わさってできているそうだ。何がすごいかというと、人間の視野とちがい、前後左右の広い範囲を見ることができる。
 物事をやり遂げるには「二兎を追うものは一兎も得ず」で、ひとつの事を突き進むことが肝心だ。ただ現在のように物事が多様化する時代においては、多面的、多角的に四方八方に目配りをしながら色々な変化を瞬間的にタイミングよく察知することが求められる。つまり、単眼と複眼をうまく組み合わせて物事に対処しながら困難を切り抜ければ病院の将来を切り開くことに繋がるのではないか。それには頭の切り替えというか、柔軟さが必要である。常々トンボの目のように広い視野をもちたいと心がけている。
 40歳を過ぎると誰もが老眼になってくる。加齢によって視力は衰えるが、多面的な観点から物事をみることができるはずだ。『複眼的思考』という言葉がある。ひとつの視点にとらわれない相対比の思考法をさす。ただ齢を重ねると人生経験を重ねただけ、ややもすると独善的な思考に陥りやすい。高齢者が起こす社会的な問題行動や事件がそれを物語っている。身体的な衰えは防ぎようがないが、その不足を補うためにこれからもトンボの目を意識していきたいと思う。

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